ニキビ跡の原因と対策・改善方法を解説!

美容の基本 2022.02.01
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ニキビ跡01
一刻も早く治したいニキビ。ですが、「ニキビ跡」になって残り続けてしまうことは何よりも避けたいことです。治ったと思ったはずのニキビが、ニキビ跡になってしまうのは一体何が原因なのでしょうか?今回はニキビ跡ができてしまう原因と、ニキビ跡を作らないようにするための適切なケア方法について紹介します。

ニキビ跡とは?

ニキビ跡とは、ニキビが治った後に残ってしまう赤みや色素沈着のことを指します。特に炎症がひどいものは、クレーターやケロイド状態になって残り続けてしまうこともあります。
人間の肌は大きく分けて表皮、真皮、皮下組織に分かれています。アクネ菌が肌の奥深い層である真皮層や皮下組織にまでおよんで繁殖してしまうと、完全に修復することが難しく、ニキビ跡として残ってしまいます。
さらにニキビができた後に、十分なケアを行わないでいるとニキビ跡になってしまうリスクが高まってしまいます。
ニキビ跡の治療には長い時間と費用がかかってしまうため、ニキビ跡を作らないためにも、ニキビができた段階で適切なケアをすることが大切です。

ニキビ跡の主な種類

ニキビ跡は、症状や状態によっていくつかに分類されます。どのような種類があるのか確認しましょう。

【炎症後紅斑】赤みのあるニキビ跡

炎症後紅斑と呼ばれるニキビ跡は、皮膚下の毛細血管が透けて見えることで赤みを帯びた状態になります。
一見まだニキビが治っていないようにも見えるため、ニキビ跡として気づきにくいことがありますが、半年以上症状が続くなどの場合は、ニキビではなくニキビ跡となっている可能性が高いと考えられます。
ニキビは毛穴に皮脂や老廃物がつまり、炎症を起こすことでできますが、この炎症が長く続いてしまうと、ニキビが治った後も肌に赤みが残ってしまうことがあります。
また、炎症が強い場合は、毛細血管が傷つき血管外に出血してしまうことで、濃い赤紫色のニキビ跡になってしまうこともあります。

【炎症後色素沈着】茶色いニキビ跡

炎症後色素沈着と呼ばれる茶色いニキビ跡は、色素沈着によって引き起こされます。ニキビで炎症を起こした肌にはメラニンが作られますが、過剰に生成されてしまうと、メラニンが肌に残って茶色や黒っぽいシミのようなニキビ跡ができてしまいます。
健康の肌は、ターンオーバー作用により一定のサイクルで肌が生まれ変わります。しかし、さまざまな原因によりターンオーバーが乱れて古い角質が肌や毛穴に残り続けてしまうと、メラニンの分解も行われずにそのまま残り続けてしまうため、色素沈着したニキビ跡になってしまいます。

【肥厚性瘢痕】盛り上がったニキビ跡

プクッと盛り上がりのあるニキビ跡は、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)と呼ばれます。ニキビなど肌に傷ができてしまった際には、組織を再生しようとしてコラーゲンが分泌されます。このコラーゲンが過剰に分泌されることで、肥厚性瘢痕ができてしまいます。
肥厚性瘢痕の症状が肥大化したものはケロイドとも呼ばれ、強い痛みやかゆみなどを伴うため、専門医での治療が必要になってきます。

【陥没性瘢痕】クレーター状のニキビ跡

クレーター状のニキビ跡は陥没性瘢痕、あるいは陥凹性瘢痕と呼ばれ、ニキビ跡の中では最も治りにくいものになります。
ニキビを放置したり、潰してしまったりすると、皮膚の真皮層が破壊され、ターンオーバーでは修復できない状態になり、肌の表面がぼこぼこと陥没してしまうクレーター状のニキビ跡ができてしまうことがあります。
形によって、ローリング型、ボックスカー型、アイスピック型の3種類に分類され、ローリング型は幅広くできているニキビ跡、ボックスカー型は台形状にえぐれているニキビ跡、アイスピック型は小さくて深いニキビ跡になります。
クレーター状になったニキビ跡は、自然消滅することはないため、皮膚科や美容皮膚科での治療が必要になってきます。

タイプ別のニキビ対策を紹介

さまざまな種類に分けられるニキビ跡は、具体的にどのような対策を行えば良いのでしょうか?タイプ別に適切なケアや治療方法を紹介します。

赤みのあるニキビ跡の対策法

赤みがあるニキビ跡は、悪化しないよう早めにケアすることが重要です。なるべく紫外線を避け、保湿を重視したスキンケアを行うようにしましょう
症状が改善されない場合は、皮膚科を受診するようにしてください。赤みがあるニキビ跡には、真皮層の炎症を抑えるケアが必要なため、アラントインやグリチルリチン酸ジカリウムなどで抗炎症ケアをすると良いでしょう。

茶色いニキビ跡の対策法

茶色いニキビ跡は、メラニン色素の沈着が原因となっているため、メラニンの新たな生成を減らしたり、皮膚のターンオーバーを促進してメラニン色素を排出することが改善につながります
色素沈着の原因であるメラニンには、美白効果が認められているビタミンCやプラセンタなどが効果的とされています。
また、過度なクレンジングやマッサージは色素沈着の原因にもなってしまうため、なるべく避けるようにしましょう。

盛り上がったニキビ跡の対策法

盛り上がったニキビ跡である肥厚性瘢痕は、コラーゲンが過剰に生成されることでできてしまうため、コラーゲンの塊を減らすよう、ほぐす必要があります。
一般的にはステロイドの塗り薬や貼り薬が治療に使われますが、患部に直接ステロイドを注射する方法などもあります。

クレーター状のニキビ跡の対策法

クレーター状のニキビ跡は、皮膚のコラーゲンが減少してしまうことで起きてしまいます。そのためクレーターの凹みが目立つ境界部分をぼかす治療方法が必要になります。
代表的な治療としては、皮膚に微細な穴を開けて再生を促すフラクショナルレーザーや、髪の毛よりも細い針を皮膚に刺し、肌の自然治癒力を高めるダーマペンが一般的な治療方法として知られています。

NGなニキビに対するセルフケア

ニキビができてしまうと一刻も早く治したいからと、自己流で対処してしまうことは禁物。ここではニキビができてしまった際の、NGな対処法を紹介します。

自らニキビを潰す

ニキビは潰すことで早く治ると思っている方がいるかもしれませんが、自己流のやり方で潰してしまうことは絶対に避けましょう。潰し方によっては、細菌が侵入してニキビが悪化してしまったり、ニキビ跡になってしまうリスクが高くなってしまいます。

ニキビを強く洗ってしまう

ニキビ対策は洗顔が基本ですが、力強くゴシゴシ洗ってしまうと、ニキビが潰れてしまったり、症状をより悪化させてしまうおそれがあります
低刺激の洗顔料でしっかり泡立てて優しく洗うことを心がけましょう。

ニキビ跡のスキンケア

気を付けていてもニキビ跡ができてしまった場合には、どのようなケアを行えば良いのでしょうか?

強い刺激を避ける

ニキビと同様、ニキビ跡にも強い刺激を与えることは避けるようにしましょう。普段からなるべく手で触らないようにして、洗顔時には泡で包み込むように洗うことがポイントです。
また、洗顔後にはタオルの摩擦にも気を付けるようにしましょう。清潔で柔らかい素材のタオルで優しく水気を拭くように心がけてみてください。

しっかりと保湿する

ニキビ跡には乾燥が大敵です。特に洗顔後は肌の水分が奪われやすい状態になっているため、化粧水や乳液を使って十分に保湿するようにしましょう。
保湿が不十分だと、乾燥を補おうと皮脂が過剰に分泌されてしまい、ニキビ跡が悪化してしまうおそれがあります。
そのため毎日のスキンケアの中でも保湿は特に丁寧に行うようにしてください。

ニキビ跡に効果的な市販薬は?

市販の治療薬では、ニキビ跡を目立たせなくする効果はあっても、明確に治療の効果があるものはありません。市販薬だけでニキビ跡を治すことは非常に困難です。
また、市販のピーリングジェルも同様にニキビ跡を根本から消す効果は期待できません。
ニキビ跡を消したい場合は、皮膚科や美容皮膚科で相談することから始めましょう。特にケロイドやクレーターなどは自然に消えることはないため、クリニックでの治療が必要になります。

ニキビ跡02

ニキビ跡を作らないために

ニキビ跡は一度できてしまうと自然に治癒させることが難しく、皮膚科などのクリニックに通う必要が出てきてしまいます。できるだけニキビ跡を作らないようにするためには、どのようなことを心がけると良いのでしょうか?

丁寧な洗顔と保湿

ニキビ跡を作らないようにするためには、日頃の洗顔をしっかりと行うことが大切です。特にニキビができてしまった際には、炎症を悪化させないよう、低刺激のものやオイルフリーのスキンケア用品を使うことをおすすめします。
洗顔の後は、必ず化粧水と乳液で保湿することを忘れないようにしましょう。特に目元や口元などの乾燥しやすい部分は、重ね塗りすることで乾燥を防いでください。

紫外線を回避する

ニキビやニキビ跡は、紫外線を浴びることで悪化してしまうことがわかっています。ニキビ跡がある状態で過剰に紫外線を浴びてしまうと、メラニンが生成され、色素沈着の原因にもなります。
紫外線はシミやシワなどの肌トラブルの原因にもなるため、日頃から紫外線対策を行うことが重要です。日焼け止めや日傘などを使って、紫外線を浴びないような工夫を行うようにしましょう。

適度な運動と十分な睡眠時間を心がける

ニキビ跡を治すためには、肌のターンオーバーを促すことが重要です。そのためには、適度な運動と十分な睡眠が効果的であるとされています。
運動によって汗をかくことで、肌の水分量が増加して、毛穴に溜まった皮脂や老廃物が外に排出される効果も期待できます。
また、睡眠中は成長ホルモンが分泌されるため、健康的な肌を保つ作用があるとされています。ターンオーバーの乱れを引き起こさないよう、十分な睡眠時間を確保するように心がけましょう。

ビタミンの積極的な摂取

ニキビ跡にはビタミンB群やビタミンCを摂取することがおすすめです。ビタミンB2は、魚や卵、乳製品などに多く含まれているため、食事で積極的に摂ることを意識してください。また、赤身魚などに多く含まれるビタミンB6には、皮脂の分泌を制御してくれる役割があります。
色素沈着のあるニキビ跡には、ビタミンCが含まれた製品を使ってスキンケアをすると良いでしょう。ビタミンCにはメラニンの生成を抑制し、メラニンによる色素沈着を防ぐはたらきに加え、ターンオーバーを正常化する効果が期待できます。

ファンデーションは厚塗りしない

ニキビ跡を隠そうとファンデーションを厚塗りしてしまっている方もおられるのではないでしょうか。肌にとってファンデーションは、毛穴をつまらせる原因になるだけでなく、ニキビ跡に刺激を与えて、アクネ菌を増殖させてしまう要因になってしまいます。
また、厚塗りしたファンデーションを落とすためには、クレンジングで念入りに洗い落とす必要が出てくるため、さらなる刺激を与えてしまいます。
ニキビ跡にはなるべくファンデーションを厚塗りしないことが、治療の第一歩になることを覚えておきましょう。

肌に合ったケア用品の使用

乾燥肌やオイリー肌など、人の肌にはさまざまなタイプがあるため、自分にあったケア用品を使用しないとかえって症状が悪化してしまうおそれがあります。
特にニキビ跡ができてしまっている肌には、ニキビ肌用の製品を使って十分にケアしてあげることが重要です。
ニキビケア製品の代表的なものとして、ノンコメドジェニックテストを通過した製品があります。これはニキビが生じにくい製品であることが認められたもの。こうした製品を試してみるのも良いでしょう。

ニキビ跡を未然に防いで美しい肌を

ニキビ跡は自然治癒が難しいため、日頃のケアで防ぐことが何よりも重要です。不適切なスキンケアや食生活の乱れ、睡眠不足、運動不足など、ニキビ跡の原因となることはなるべく避け、肌のターンオーバーを活発にさせることを意識して生活してみてください。