グリセリンとは?美容にどんな効果があるの?摂取方法やおすすめのケアアイテムも紹介

美容の基本 2022.03.24
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さまざまな化粧品に含まれている「グリセリン」という成分。聞いたことのある方も多いと思いますが、どんな役割をしているかご存じですか?グリセリンは化粧品だけではなく、医薬品、食品添加物にも使用されるほど、幅広い用途で用いられているとても優れた成分です。今回は「グリセリン」について、グリセリンの性質や美容効果、使用するときの注意点などを詳しく解説しています。合わせて、オススメのアイテムも紹介していますので、ぜひご利用いただいて、グリセリンの効果を肌で感じてみてください。

グリセリンとは?どんな性質がある?

グリセリン_01

グリセリンとは、グリセロール(glycerol)とも呼ばれ,アルコールに分類される成分です。植物や動物、海藻などに多く含まれていて、人間の体の中では「中性脂肪」として存在しています。無色透明の少し粘性のある液体で、においはないのですが甘味があるという特徴をもっています。その甘味を利用して甘味料として食品添加物などに使用されています。
吸湿性に優れていて保湿効果が高く、水にとけやすいという特性から基本成分として多くの化粧品に使用されています。
種類としては、ヤシ油やパーム油などの植物由来の原料を使用した「天然グリセリン」と石油を原料とした「合成グリセリン」の2種類があります。天然グリセリンは主に化粧品などに使われていて、合成グリセリンは医療品に多く使われています。

基本情報

グリセリンは、1779年にスウェーデンの化学・薬学者である「カール・ヴィルヘルム・シェーレ」がオリーブ油のアルカリ加水分解の実験をしていた際、偶然分離したことによって発見されました。

1813年にはフランスの化学者「ミシェル・ウジェーヌ・シュヴルール」により、ギリシャ語の「γλυκυς」(glykys、甘い)にちなんでグリセリンと名付けられました。実はグリセリンの正式化学名はグリセロール(glycerol)と国際機関で定められているのですが、一般的にも医薬品としても、グリセリン(glycerine)という呼称が広く使われています。

グリセリンは、発見当初は膠(にかわ)などの接着剤としての用途やコルクの製造などに使われていましたが、時代の流れと共に織物やインクの染色助剤としても活用されるようになっていきました。

そして19世紀の中頃になるとダイナマイトの原料であるニトログリセリンが発見され、グリセリンの用途は大きな転機を迎えることになります。現在では、グリセリンの「保湿性」、「吸湿性」、「溶解性」、「粘性」、「無毒性」などの特性から、化粧品や医薬品、食料品のほか、化学工業の素材としてなど、様々な分野のものに使われています。
植物油を分解して生成する「天然グリセリン」と、石油を分解して生成する「合成グリセリン」の2種類がありますが、世界的にも天然グリセリンの生産が主流となっています。

また、人間の体内では中性脂肪として存在することを先にご紹介しましたが、脂肪はグリセリンと脂肪酸に分解されて小腸で吸収され、小腸壁で中性脂肪として合成されます。中性脂肪は筋肉や皮膚に貯蓄され、必要に応じてエネルギーとして消費されます。

このように、グリセリンは体内にもある身近な存在ですが、昔から人々の生活になくてはならないものだったことが伺えます。近年では、バイオディーゼル燃料の製造過程で発生するグリセリン廃液を有効活用した製品がエコマーク認定対象になるなど、時代に応じてその活用方法も進化しています。

用途

化粧品から食料品まで、多岐に渡って使用されているグリセリンですが、医薬品としても重要な役割を担っています。グリセリンには、植物由来の原料を使用した「天然グリセリン」と石油を原料とした「合成グリセリン」の2種類があることをご紹介しました。
「合成グリセリン」は石油を原料としていると聞くと体に良く無さそうなイメージを抱きがちですが、高純度で劣化が少ないことから医薬品に広く使われています。グリセリンがどのような医薬品に用いられているのかを見ていきましょう。

■保湿剤
保湿効果が高いため、皮膚の乾燥を防ぐ目的の軟膏や湿潤剤などの基剤として用いられています。

■浣腸剤
直腸内の水分を吸収して腸壁を刺激し、腸の運動を活発にする働きを持つことから、便秘を改善する浣腸剤として用いられています。

■利尿薬
グリセリンは、尿細管内の浸透圧を高くすることにより、水やナトリウムの再吸収を抑えることで利尿を促す浸透圧利尿薬としても用いられています。

また、グリセリンの持つ3つのヒドロキシ基を硝酸と反応させて作り出す「ニトログリセリン」は、慢性狭心症の薬として有名です。ニトログリセリンはダイナマイトの原料でもありますが、医薬品で使われるニトログリセリンには添加剤を加えてあり、爆発の危険性はもちろんありません。ニトログリセリンには血管拡張作用があり、その効果から狭心症に用いられるようになりました。

ニトログリセリンが狭心症に効くことが分かったのは、ダイナマイトの開発者であるアルフレッド・ノーベルの経営していたダイナマイト工場での出来事がきっかけとなっています。そのきっかけとは、狭心症を患っていた工場の従業員が自宅では発作に悩まされていたのに、なぜか工場に勤務している間は発作が起こらなかった、というもの。
このことから工場で扱っていたニトログリセリンに血管拡張作用があることが発見されました。このように、グリセリンは医薬品としても広い分野で使われています。

グリセリンにはどんな性質がある?

グリセリンには具体的にどんな美容効果があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

保湿効果

グリセリンの大きな特徴として強い吸湿性があります。外部から水分を取り込んで保湿するという性質から、化粧水などに保湿成分としてよく利用されています。他の成分との相性もよく、より保湿力の高いヒアルロン酸などと組み合わせて使うと、水分を取り込むグリセリンと水分を保持するヒアルロン酸で、さらに保湿効果が高まります。

肌荒れを抑える

グリセリンは肌荒れを抑えてくれる効果もあります。紫外線や乾燥などの影響で、皮膚の一番外側に位置する角質層に含まれる水分量が10%以下になると、ヒビ割れなどの肌荒れを起こすと考えられています。グリセリンは程よい粘性で肌にしっとり感を与え、角質層に直接浸透。持ち前の高い吸水性で肌に潤いを与え、肌荒れを抑えてくれます。
刺激も少なく肌質選ばないので、敏感肌の方、高齢の方やお子さん、乾燥肌の方、脂性肌の方など、多くの方にご利用いただけます。

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肌を温める

グリセリンの水に溶けると発熱するという性質を利用して作られている化粧品もあります。
「温感クレンジング」などが、このグリセリンの作用を利用した化粧品です。水をほとんど配合せず、手に取ったときに肌や空気中の水と反応してじんわりと温かくなる仕組みです。グリセリンなので保湿効果はもちろん、程よい温かさがリラックス効果や血行促進などにつながり、健康的な透明感のある肌に仕上げます。

グリセリン_02

グリセリンの安全性は?

グリセリンと聞くと爆薬に使用されている「ニトログリセリン」を想像して、その安全性について心配される方もおられると思います。狭心症の薬や爆薬の原料として使われるニトログリセリンはグリセリンと硝酸を反応させて作る成分で、グリセリン自体にはまったく危険性はありません。
CIR(Cosmetic Ingredient Review)米国化粧品工業会が化粧品成分の安全性を判定するデータによると、皮膚刺激性、眼刺激性、アレルギー性は、人や動物に試験を繰り返し行った結果、ほとんどなしと判定されています。
さらに、外原規2021規格の基準に満たした成分が収載される「医薬部外品原料規格2021」、医療上、有効性及び安全性の基準を満たした成分が収載される「日本薬局方」、ともに
グリセリンは収載されています。50年以上の使用実績もあり、危険性はほとんどないことが実証されています。

グリセリンはどうやって摂取する?

これまでお伝えしてきた通り、グリセリンは、化粧品、医療薬などさまざまな製品に使われています。食品添加物としても、甘みをつける甘味料、食品の水分を保持するための保湿剤、静菌性を利用した日持ち剤、ガムなどの粘度をつける軟化剤などとしてたくさんの食品にも含まれ、日々私たちの体内に取り込まれています。食品添加剤は身体に悪いといったイメージをお持ちの方も多いと思いますが、グリセリンは前記したように安全性の高い成分です。食品に含まれている量であればまったく問題はありません。ただ、過剰な摂取は身体に悪影響を与えかねませんので、バランスよく取り込むようにしましょう。
サプリメントとしても摂取することができます。軟カプセルのコーティングとして多く使われ、働きとしては、腸を刺激して蠕動運動を活性化、便秘解消を助けます。

グリセリンを使用する際の注意点は?

グリセリンを使用する際に注意していただきたい点が2つあります。美容効果の高いグリセリンですが、誤った使い方をしてしまうとかえって逆効果になってしまったり、せっかくの化粧品が無駄になってしまいます。難しいことはありませんので、しっかり守って上手に使っていきましょう。

グリセリンの配合量

吸湿性の非常に高いグリセリンですので、高濃度のものを使ってしまうと、大気中の水分とともにお肌の水分も吸湿してしまい、かえって乾燥させてしまう恐れがあります。グリセリン配合量が10%を超えるものをご使用する際には注意してください。ただ、他の成分も配合されているときは、もう少し多めの量を使用しても問題ない場合もあります。グリセリンは薬局などで簡単に手に入るので、ご自分でもグリセリンを使用した化粧水を作ることができます。その際には、濃度5%~10%を目安に作るようにしましょう。

密閉して保管

保管する際に蓋を閉め忘れたりして空気にふれていると、どんどんと大気中の水分を吸収していってグリセリンの濃度が下がってしまいます。はじめは粘性のあった液体がさらさらに変化してしまったりと、使用した際の効果が著しく薄れてしまいます。それぞれ指示された保管方法を守って、正しく保管するようにしましょう。

保湿力が高いおすすめのスキンケアアイテム

では最後にグリセリン配合のおすすめスキンケアアイテムを紹介していきます。グリセリンは多くの化粧品に含まれています。自分に合った化粧品を選ぶには、それ以外にどんな成分が配合されているかも合わせチェックしましょう。

四季の美容液オイル

美容液オイル

植物由来のグリセリンに加え4種類の植物オイルで潤いを閉じ込め、ツヤのある肌に仕上げます。さらに季節にの肌状態や悩みに合わせて、国産自然素材も厳選して配合。美容液層との2層タイプなのでべたつかずスッと肌に浸透した使い心地も特徴です。

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ミネラル保湿液

coyoriミネラル保湿液

美肌の湯といわれる島根県玉造温泉水を50%以上配合。すっとなじむ温泉水がやさしく肌をほぐします。グリセリンと相性のよい植物性ヒアルロン酸「アロエベラ葉水」を配合。高い保湿力で長時間潤いをキープします。さらに春夏におすすめの「ミネラル保湿液白ー風花ー」には、ビタミンCがレモンの約34倍含まれているアセロラを配合し紫外線で受けた乾燥ダメージをケア。透明感のあるお肌に仕上げます。

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濃密美容クリーム 30g

濃密美容クリーム 30g

配合されている水前寺海苔から抽出されるスイゼンジノリ多糖体はヒアルロン酸の5倍以上の保水力。グリセリンとの作用でしっとりとした潤いのある肌を保ちます。
さらにグリセリンの持つこっくりとしたテクスチャーが顔全体を包み込み潤いを逃がしません。古くから美容アイテムとして用いられてきたバラ「さ姫」のエキスで、ハリ、弾力を与えます。

 

あらゆる場面で活躍するグリセリン

グリセリンについて、その効果や用途、安全性など紹介してきました。化粧品から医療、食品と、こんなにもあらゆる場面で私たちの生活に関わっていたとは驚きです。グリセリンはとても安全でやさしい成分であるということがお分かりいただけたと思います。上手に取り入れて、日々のスキンケアにお役立ていただければ幸いです。